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小さな実験をしよう!Management3.0研修を開催しました!

By nobuaki

Management 組織文化

こんにちはアドテクスタジオのエンジニアマネジメント系ゼミの1つ、re:Workゼミでゼミ長をやっている三浦です。

先日行われた「開発責任者ハンドブック配布会&Engineering Management Meetup」に続き、
Management3.0の研修を開催してきました。

開発責任者ハンドブック配布会&Engineering Management Meetupの様子は こちら からご覧いただけます。

マネジメントの話をTechブログに?と思う方もいるかもしれませんが、「マネジメントも技術」と尊敬する先輩が言ってましたので、堂々とアウトプットしてみようと思います。

re:Workゼミってなに?

re:Workゼミは「働く」ということに関わる色々なことを研究するゼミです。
かなり広い範囲を研究対象としており、これまでには「採用」「ピープルアナリティクス」「マネージャー」「チーム」「偏見」といった内容を取り扱ってきました。

ちなみに元ネタはGoogleが提供しているサイトなので、是非一度のぞいて見てください。

英語サイトはこちら
日本語サイトはこちら

Management3.0って?

研修の内容をお伝えする前に、Management3.0がどんなものかを整理しておこうと思います。

公式ページ には以下のように書かれています。

Management3.0は「人ではなく、システムをマネージするべき」という思想のもと、
Jurgen Appelo氏によって出版された本に基づいたクリエイティブ企業が実績を挙げるための進歩的なアプローチです。

 

難しいですね。

私はManagement3.0はマインドセットとプラクティスがまとめられたものだと思っています。
3.0があるということは、1.0 も 2.0 もあります。

それぞれのマインドなどを簡単に僕の解釈でまとめると

Management1.0

  • コマンド&コントロールしようとする
  • ヒエラルキー型の組織構造になる
  • 人を交換可能な部品として扱う状態になる

Management2.0

  • 人は重要であるという認識になる
  • サーバントリーダーシップの重要性を認識する
  • マインドは良いが、組織構造ややり方に失敗している状態
    • 「能動的に行動しろ!」と命令するみたいな感じ

Management3.0

  • コミュニティや都市のように全員が部分的な責任を負う状態
  • 目的のために人ではなくシステム(やり方)をマネジメントする
  • 能動的に行動できる組織構造や仕組みを作る

といった感じだと思います。
他にも色々と要素はあると思うのですが、ここでは割愛します。

研修の様子

今回の研修は2日間で参加者16人で行いました。

参加者の中にはマネージャーとして業務を行なっているメンバーもいれば、開発チームでバリバリコードを書いているメンバーもいますので、実に多様な視点のある研修となりました。

現在のManagement3.0では8つのモジュールが定義され、多くのプラクティスが提案されています。
研修内容は 2日間Management 3.0ワークショップ に記載されているものを実施しました。

 

このブログでは、いくつかのモジュールとプラクティスをピックアップしてお伝えします。

パーソナルマップ

研修は **パーソナルマップ** のプラクティスを利用しての自己紹介から始まりました。

同じアドテクスタジオで働くメンバーが集まったわけですが、
普段は別のプロダクト開発に携わっていて関わらないメンバーもいますので、
非常に有益な時間になりました。

パーソナルマップはマインドマップで自分のことをまとめていくものです。
「趣味」「居住地」など一般的なものから「夢」「重視する価値観」など、
普段はまず聞くことのない情報をシェアできるのが面白いと思いました。

とはいえ、これだけであれば割とありがちなコンテンツです。

今回の研修ではいくつかのチームに分かれて、
互いの共通点を見つけてチーム名をつけるというワークを行いました。

このワークの面白いところは、
パーソナルマップ上に記載されたものだけでは、共通点が見つからないかもしれないというところです。
その場合は、共通点を探すために会話をする必要が出てきます。

この会話の中で相手が何に興味があるのか、どんな価値観を持っているのか知ることができます。

実際にいくつかのチームでは共通点が見つからず苦労していたようですが、
そういうチームの方が得をするワークだったように思います。

面白いワークでしたので、チームビルドの初期やタスクフォース的なチームを編成するときに試してみると良いのではないでしょうか?

デリゲーションとエンパワーメント

続いては、デリゲーションとエンパワーメントです。

Management3.0では、個人は不完全なメンタルモデルや知識しか持っていないので、
コントロールはシェアするべきという考えを提唱しています。

例えば、マネージャーが業務の全ては理解していない(できない)というのは普通の話だと思います。
なので、適切な人が判断できる環境にした方がより良い状態になるという考え方です。

Management3.0のプラクティスで権限移譲を行いたい時に有用な デリゲーションボード というものがありますので、気になる方は調べてみてください。

ここでは、デリゲーションボード以外の学びをお伝えしようと思います。

自己充足的予言の罠

自己充足的予言(self fulfilling prophecy)とは、
根拠の無い見立てや思い込みを持つと人は無意識にその予言に沿った行動をとるために、
予言が現実のものとなる現象を指す言葉です。

特にマネージャーは「人の態度は、自分がどう扱われるかによって変わる」ということを意識する必要があると思います。

セルフコントロールできない集団として扱うと、彼らはセルフコントロールしようとせず、
マネージャーはさらに自分でどうにかしなけばと躍起になるという
負の連鎖を生んでしまいます。

マイクロマネジメントの罠

自分が管理した方が早いという理由から、権限移譲を行わないケースがあります。
この時に意識しないといけないのは、権限移譲を行ってもすぐには成果が出ないケースが多いということです。
ある程度の時間が必要となります。これを投資として捉えることがマネージャーに求められるように思います。
これはとても勇気のいる判断だと思いますが、始めなければいつまでもできるようにはなりません。

これらは、組織、ビジネス、メンバーなど、いろいろなコンテキストに依存するものなので、
一律でこうすれば良いというものではないのだと思います。

基本として頭に入れながらも、自分たちのコンテキストを分析して、
どのようにするかを考えることが非常に重要だと思います。

成功と失敗

続いては、成功と失敗です。

セレブレーショングリッド のプラクティスを使ってワークショップで振り返りを行いました。

Management3.0では「実験して学ぶことにこそ一番価値がある」としています。

そして、実験を促進する(何をして、何を学んだかを可視化する)仕掛けとして非常に面白いやり方だと思います。

セレブレーショングリッドでは、縦軸は【成果】を表し、成功と失敗に分けます。横軸は【行動】を表し、間違いと実験と習慣に分けています。

それぞれのブロックは以下のような意味になります。

  • 間違いを実行すると多くの場合失敗しするが、全てが失敗するわけではなく、時に成功する
  • 習慣を実行するとほとんどのケースで成功するが、時に失敗する
  • 一番重要な行動は実験で、成功もするが失敗もする

それぞれの行動結果のブロックの下には【学習】の表があり、実験の部分の面積が大きくなっています。

これは、

  • 習慣を実行しても、間違いを実行しても、学びは少ない
  • 実験を実行し、結果を見た時に学習が最も大きくなる

ということを表しています。

セレブレーショングリッドのポイントは上手く行った(成功)したか否かではなく、どれだけ 学び があったかを重視するところです。これによって学習が促進されます。

ただし、実験を実行するためには安全に失敗できる環境を作る必要があります。

実験を行うために必要なマインドをManagement3.0では以下のように表現しています。これらは学習する上で非常に重要なことなので、日々実践したいと思います。

  • 新しいことに挑戦しましょう。そのうちいくつかは失敗をすることを想定します。そのため、実験と言うラベルをつけて周囲に理解してもらいます。
  • 失敗を生み出して生き残りましょう。それは日常的なことです。
  • そして、あなたがいつ間違えたかを忘れずいることです。間違いを繰り返すのではなく実験することです。

グラフィック

講師のステファンさんの提案で全員で綺麗なグラフィックの書き方を教えてもらいました。
ほぼ全てのメンバーが初めて描いたのですが、最後にはびっくりするほど綺麗なグラフィックが出来上がっていました!

研修をどうやって生かすのか?

こういった研修を行なった時によく聞くのが、
研修を行なってそれ以降何もしない、よく言えば個人の自主性に任せるような対応をしてしまうということです。

私自身も過去に経験があるので、今回は色々な工夫をしてみましたのでご紹介しようと思います。

研修参加メンバーの選定

今回の研修は16名の参加者がいたわけですが、
全員が同じチームで働いているわけではありません。

なので、参加者が研修から帰った時に
チームに2人以上の受講者がいるようにメンバーを選定しました。

もし、チームで試してみたいとなった時に自分一人だけの状況と
仲間がいる状況ではできることが違います。
(やるかやらないかは、自由です)

研修後に振り返る場を作る

研修とは別に参加者で振り返る場を作りました。
研修中はわかったような気がしても、実はきちんと理解できていなかったり、
解釈に戸惑っていたことがあったりするものだと思います。

結果的にその場では、「実際に自分のチームで取り入れるにはどうしたら良いか?」
といった話にも発展し、全員で意見を出し合う場に発展しました。

研修内容を周りに公開する

参加メンバーのアイデアで研修時に講師の方が書いたポスターをオフィスに張り出しました。
「興味があれば研修参加者に聞いてください!」と全体告知も行いました。

意外と足を止めて見てくれる人もいるので、会話や実験のちょっとしたきっかけになるのではないかと思っています。

コピー機の隣に…

 

オフィス内に…

まとめ

今回Management3.0の研修を受けてみて思ったのは、
冒頭に書いた通りManagement3.0は基本となるマインドセットであり、
各組織のコンテキストを分析して、その組織にあった形で適用する努力が一番大切だと感じました。

そして、小さく、失敗しても大丈夫な規模で実験して計測していくことが、
良い環境を作るために必要なのだと思いました。

また、少しでも実施しやすい環境を作っていくことで、
一番多くの学びを得ることができるのだと思います。

今も小さな実験をしようと計画中なので、
またこういった形でアウトプットできればと思います。